Q 公正証書遺言を作るのに、行政書士や弁護士に依頼するのはなぜですか?

公証人は申述した内容を文書にしてくれるのみで、手続実務を行わない

公正証書遺言は公証人に作成してもらいますので、ご自分で相談に行っても作ろうと思えば作れます。

専門職にご依頼される方は、法律用語などが全くわからないか不得手で、公証人と専門用語で話をするにもサポートが必要であったり、公証人とのやりとりをする時間が取れないほど忙しい方が多いです。

公証人に口述して原案を作り上げていきますので、苦手な人にとっては苦痛なのです。
また、後で例を挙げますが公証人は申述した内容は文書にしてくれますが、本人の想いや背景にある本当のニーズまでを汲み取って文書にしてくれるわけではありません。作成された文書が本人のニーズの一部のみしか反映されていないような状況が、多々あります。

加えて、公証人は遺言に基づいて金融機関や不動産の名義変更などの手続実務を行いません。法的に正しい遺言であっても、実務上は遺言内容によっては手続が遅滞したり、金融機関から不備を指摘されたりします。当方が扱った案件でも、過去に公証人が作成した遺言で不動産の名義変更をする際に法務局から「この文言では登記できない」と指摘されて、司法書士と一緒に対応して何とか登記できた経験があります。

また、証人を立てられない方のご依頼も多いです。証人は利害関係のない者が二人、必要です。
遺言書の周囲にいて遺言作成のサポートをしている者の多くは、利害関係人です。そのため、我々専門職が証人を引き受けて遺言を作成しています。

遺言作成や証人をご依頼いただく際には、遺言執行者への就任も併せて、ご依頼いただくことも多いです。遺言作成時からの遺言書の想いなどを理解している者のほうが、遺言執行時にも本人の想いを大切にできると思います。直に本人の口から、気持ちを聞いているためです。

公証役場で遺言作成後に、新たに文書を作った例

Aさん(仮名)は、公証役場で公正証書遺言を作成した後に、当事務所にご相談にいらっしゃいました。


お持ちになった遺言で、ご自身が希望する内容に問題はないかどうかを見てほしいというものでした。
Aさんは子や孫がおらず、独居です。自身に何かあったら第三者で血縁が全くない年下の友人に遺産を渡し、葬儀や供養など死後事務一切を依頼したいと考えていました。
その旨を公証役場で文書にしてきたはずだったのですが、文書としては遺産を渡すとの遺言のみでした。


死後事務や付言などが何もありませんでしたので、当職はAさんの想いを実現するため、新たに死後事務委任契約の作成を支援しました。
Aさんの死後、第三者の方は死後事務委任契約により法的権限を持って、事務処理を行えた事例です。
遺言のみだった場合、死後事務については法的権限がありませんでした。

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