遺産分割協議は、通常は相続財産の分与を協議するものです。
しかし、せっかく相続人全員が集まる場なのですから、皆で故人を偲ぶのもよいと思います。
楽しかった家族の思い出や、故人との関わりの記憶を辿っていくうちに、相続人の表情がすうっと晴れていく瞬間があります。
そうなれば、争いとは無縁の協議になります。
皆が童心に帰るとでも言いましょうか、上手くいく遺産分割協議のパターンです。
故人が争いを望んでいない旨を皆が理解できれば、話し合いで解決できます。
遺産分割協議がまとまりそうにない場合は、各共同相続人は家庭裁判所に調停を申し立てることができます。
遺産分割に関しては、いきなり訴訟提起はできず、前段階として調停を行わなければいけないことになっています。
調停前置主義といいますが、調停は第三者が仲裁してくれる手続です。相続人間がヒートアップしてしまっている状況では、皆が冷静になれる可能性があります。
調停の申立には、相続人や被相続人の戸籍や財産状況を証する書面などが必要です。
収入印紙や切手など、数千円程度の費用で申立ができます。安価ですので、利用しない手はありません。