養子縁組をすると、法定相続分の割合や相続税の基礎控除・税率が変わります。
例えば、養子は実子と同様に法定相続分や遺留分を持ちますので、お世話になった法定相続分のない子の配偶者などを養子にするケースは一般的です。
子が1人増えると、法定相続人×600万円の基礎控除枠も増えますので、節税対策になります。
基礎控除枠が増え課税財産が少なくなると、相続税の税率が低くなる可能性もあります。
なお、実親と養子の親子関係を解消させる養子縁組を、特別養子縁組といいます。
もっとも、相続税上で養子として認められるのは、実子がいる場合は一人、いない場合は二人までです。
それ以上は、認められません。節税対策でお考えの場合は、ご注意ください。
ただし、孫養子等については税額が2割加算されます。
あくまで、2022年現在での税制でのお話です。今後、変更があるかもしれません。
少し前の話になりますが、相続に関わる専門家が注目していた裁判で、最高裁の判断が下りました。
東京高裁では、相続税の節税を目的として養子縁組は無効とされました。
これによって、相続対策に影響が出るかと思われていましたが、最高裁は有効と判断し、従来から行われている相続対策を追認した形となります。
ご相談の中でも比較的多く、それによって養子縁組をされた方もいましたので、手続をやり直さずにすみました。