ビザ取得が簡単
経営管理ビザは、他の就労ビザと異なり、外国人自身の学歴や経歴による制限はありません。
そのため、お金さえ出せば、取得ができるビザと思われている場合があります。
外国人のみならず、日本人の中にも、ご相談の際に「お金はあるから早くビザを取ってほしい」などと仰る方はいますが、そう簡単ではありません。
他の就労ビザより、ある意味では、難易度が高いからです。
500万以上の出資というのは、あくまで最低条件です。
最低限の基準に過ぎませんので、それを満たしたからといって許可は下りません。
また、外国人自身の学歴は大卒などとは問われませんが、学歴・経歴を全体として見られます。
明確な基準はありませんが(管理は別)、当該外国人が経営者としてやっていける人物かどうかを、経歴・学歴等で判断されます。
例えば、経営を行うのですから、学生時代に学んだ科目は経済や経営に近いものが好ましいですし、職歴については経営経験があれば有利になります。
当該外国人がとても事業を経営していけると思えなければ、ビザは下りません。
他の就労ビザは企業に就職して働けるくらいの方かどうかが問題ですが、経営管理ビザは経営ができるかどうかですので、ハードルが高いわけです。
どんな仕事でもできるという誤解
加えて、経営管理ビザを取れば、どのような業務でもできると考えている外国人の方も、多いです。
よくあるのが飲食店経営のご相談です。
ご相談で多いのが、自分一人で店を初めて、調理やレジ、掃除や接客の全てを自身で行いたいというものです。
このケースでは、経営管理ビザの外国人に認められているのは「経営管理」の活動ですから、調理や掃除、接客は他の従業員を雇用して行わせなければいけません。
そもそも、ビザ取得の際に従業員を雇用していなければ、許可は下りません。
ITで起業した外国人が一人で経営しているのを見て、一人で起業して経営管理ビザが取れると思われるのですが、そうではありません。
1人で起業できるかどうかは、職種によります。
在留資格にある活動に該当していれば、1人でできる場合があります。
また、在留資格該当性があっても、事業運営・継続をしていけるかどうかも問題になります。
経営管理ビザは取得も、継続も簡単ではないビザです。