成年後見のセミナーを開催すると、必ずご質問いただきます。
報酬をどうやって決めるのか、です。
法定後見制度の場合は、後見報酬は家庭裁判所が決めます。
任意後見の場合は当事者の契約ですので、報酬額も当事者で自由に定めます。
さらに気になるところが報酬額でしょう。
報酬額は家庭裁判所が本人の財産状況を鑑みて、決定します。
通常は1万~数万といったところですが、ご本人の財産に余裕がなければ報酬ゼロもあります。
報酬ゼロでどうやって後見人をやっていくのかと考えるかもしれませんが、市町村などが後見人の報酬助成等を行っています。報酬を支払えない方が後見制度を使えないというのでは、いけないからです。
ですから、本人が生活できなくなるくらいの報酬額になることはありませんので、成年後見制度利用や申立を恐れる必要はありません。
報酬を支払えないから後見制度を使えないと考えるのは、早計です。
一方、任意後見契約は、契約です。
契約内容は個々によって異なりますし、後見人によっても業務はさまざまです。
ただ、一般的には1~5万くらいの間で設定している専門家が多いと思います。
それに、任意後見監督人の費用が加わります。任意後見監督人については、サイトの任意後見についての説明をご覧ください。
任意後見監督人の監督費用は家庭裁判所が決めます。
年に数万程度が多いと思います。
以上より、任意後見の場合は予め契約時に報酬を定めますので、報酬ゼロという状況にはなりません。
身内などで報酬が不要というケースならあり得ますが、専門職に依頼する場合はそれなりの費用が必要です。