1、むちうち症にも種類がある
交通事故後、首の痛み、倦怠感、吐き気、頭痛、手足のしびれなど、さまざまな症状を被害者は訴えます。
皆さん、「むちうち症でつらいのです。後遺障害を認定してほしいのですが」とご相談にいらっしゃいます。
被害者の多くは事故後の神経症状を「むちうち症」とひとくくりに考えますが、実際は違います。
むちうち症といっても、幅広いのです。
病名として、頚椎捻挫、外傷性頚部症候群といった軽いものから、バレリュー症候群、RSDなどといった重篤な症状を示すものまで、神経症状は幅広いのです。
2、症状がひどければ
頚椎捻挫など診断名が軽いにも関わらず、症状が重篤な方は、医師の診断を疑わなければなりません。
交通事故に詳しくない医師は、交通事故後の神経症状であるバレリュー症候群やRSD等の病名を知らなかったり、診断ができなかったりするからです。
適切な治療を行っていなければ、症状は改善されませんし、いざ後遺症認定を申請する際に「症状に合った治療を行っていない」との理由で認定が困難になります。
まずは適切な専門医を探し、受診することです。
ご自分で医師を探せなければ、行政書士や弁護士等で後遺障害に詳しい専門家に依頼すれば専門医を紹介してくれる場合もあります。
むちうち症(診断名として頚部捻挫や外傷性頚部症候群等)の等級は、原則12級か14級です。
診断名が、カウザルギーやRSD(最近ではCRPS)などの方は、さらに上位等級の可能性がありますので、立証の際は専門家にご相談されることをお薦めします。
さて、痛みなどの症状がひどければ、当然上位の等級が欲しいものです。
自賠責金額にして、12級224万円、14級は75万円です。
等級に合わせて任意保険の金額も大きく変わってきます。
では、12級と14級の違いは何なのでしょうか?
微妙な判定も多いのですが、12級は自覚症状と他覚的所見が合致していると認定されることが多く、14級は自覚症状から何らかの後遺障害があるとは認められるが、他覚的所見に乏しい場合に認定されることが多いのが実情です。
さらには、都道府県や調査事務所の担当者によっても、微妙に判定が異なるケースがあります。
人が審査するものですから、一律公平というわけにはいきません。
被害者はなるべく完璧な立証を目指すほかありません。