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超高齢化社会の到来
今後のわが国は、世界に稀にみるスピードで高齢化が進んでいくことが確実です。一方、出生率は年々低下しており、少子化も進行しています。2025年には、国民の3人に1人は65歳以上の高齢者になるといわれています。
超高齢化社会の到来で、判断能力が低下した人が増加するのは確実ですし、実際に増加しています。地域で認知症者が増えており、その予防策なども講じられています。
このような時代を背景として、認知症などで判断能力が低下した人を支援する仕組みが必要になりました。
福祉が契約制度に変わった
2000年に社会福祉基礎構造改革がスタートしました。高齢者の介護保険、知的障害者の支援費制度等を柱とする福祉改革です。この改革は、従来措置制度であった福祉の世界に契約原理を取り入れました。「措置から契約へ」とスローガンにもなったのですが、これは、福祉サービス利用者と事業者を対等な関係にし、両者が契約を結び、事業者は利用者にサービスを提供し、それに対しての対価を利用者は支払うというものです。
ただし、この契約制度は、利用者側が多様なサービスやその内容を知って吟味し、選択できる能力があることを前提に成り立っています。そして、事業者との契約後に、適切にサービスが提供されているかを判断できる能力も必要なのです。
しかし、認知症や障害により判断能力が不十分になると、サービスの内容などを吟味し、自分で選択し、意思表示をすることが困難になってきます。自己決定するためには、何らかの形で意思表示ができなければなりません。そこで、誰かが、判断能力が低下した本人のために、本人がこうしたいだろうという希望を考慮して、本人の意思表示を支援するか、代わりに意思表示をする必要が出てきました。
一昔前であれば、判断能力が低下しても、家族や親族、ご近所同士が連携して、お互いに助け合えたかもしれません。
しかし、現代の核家族化の進行や近隣関係の希薄化等から、家族やご近所の方も当てにできない時代なのです。
子供がいても遠方に住んでいたり、兄弟がいても疎遠であったり、都会では近所付き合いもほとんどなかったりと、誰も頼れないケースが多いですし、今後はもっと増加することが予想されます。
介護保険ができてから福祉サービスの量は飛躍的に増えましたが、サービスの質が確保されているとはいえないのが現状です。
テレビや雑誌などを賑わしている福祉施設での虐待事件などは、表面に出てきているほんの一部にすぎず、実際にはその何倍もの事件が起こっているといわれているのです。
また、オレオレ詐欺など高齢者を狙った犯罪も増えています。あるデータでは、被害者の8割以上が80歳以上であり、その中には判断能力が低下した認知症者が多くいたとの結果があります。
以上のような背景から、成年後見制度が必要とされています。
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