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法定後見制度では、通常成年後見人等の職務を監督するのは家庭裁判所です。
法は、家庭裁判所が「必要があると認めるとき」に請求又は職権で後見監督人・保佐監督人・補助監督人(以下、成年後見監督人等)を選任できると定めています。
これは、成年後見人等には本人を支援するための権限が与えられているため、その権限を適切に行使しているかをチェックするためです。
あってはならないことですが、本人を支援するための後見人が財産を横領するなどの事件が実際に起こっています。
家庭裁判所がきっちり全ての後見人等を監督できればいいのですが、家庭裁判所も限られた人員体制ですので、全ての後見人等の監督を十分に行うことは不可能なのです。ですから、成年後見監督人等を活用する必要があります。
成年後見監督人は、本人や本人の4親等内の親族、成年後見人等の申し立てにより、家庭裁判所が選任します。また、家庭裁判所の職権で選任されることもあります。
概ね、選任されるのは弁護士、司法書士、社会福祉士です。
上記3職種は成年後見制度において初期から参入し、実績を積んでいるためです。
成年後見監督人等の職務は、後見人から事務や財産の報告を受けたり、それらを調査したりすることで、後見事務が適切に行われているかをチェックすることです。
任意後見契約における任意後見監督人は、法定後見とは少し意味合いが異なります。
まず、法定後見における成年後見監督人等は、申立や家庭裁判所の任意で選任されますが、任意後見における任意後見監督人は必ず選任されます。任意後見監督人が選任されてはじめて、任意後見が開始するのです。
任意後見契約を結んだ時点での本人は、判断能力がまだある状態ですから、判断能力が低下してきたときに、本人、配偶者、4親等内の親族又は任意後見受任者が家庭裁判所に請求して、任意後見監督人を選任してもらいます。
任意後見監督人も、任意後見人の事務が適切に行われているかをチェックするのが仕事で、任意後見人から事務の報告を受けたり、任意後見人の事務や財産を調査したりして、任意後見人の事務を監督します。
なお、任意後見監督人も、社会福祉士、司法書士、弁護士の3職種から選任されるケースがほとんどです。
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