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贈与とは

 

贈与は、贈与者ともらう人との契約です。
贈与者が一方的に財産分与の意思表示ができる遺贈とは、異なります。
贈与は口約束で成立しますが、口約束の場合は履行がないうちは取り消せます。
契約書を交わした後は、取り消すことができません。
贈与は相続と比べて税率が高くなるため、あまり利用されません。
遺留分を主張されたくないケースなどで、確実に財産分与を行いたい場合には利用できます。ただし、一定の贈与については遺留分減殺額請求をされる可能性がありますし、相続財産に含まれる場合もあります。
最近では、生前贈与についての税制優遇制度もありますので、遺贈との比較をしてから利用を検討するのもよいかもしれません。

一般的によく使われる生前贈与

生前贈与や生命保険などを上手く活用して、相続税の節税を図ろうとする方が多くなっています。

年間110万円の基礎控除は、よく知られています。いわゆる暦年贈与です。

年間110万円までの贈与を、相続人などに行う場合は非課税です。
例えば、父親が配偶者と子に年間100万づつ贈与しても非課税になります。10年経てば2000万が非課税で贈与できます。
相続税対策としては最もポピュラーな方法です。
ただし、暦年贈与については法改正が検討されており、今後、金額変更や制度自体の廃止があり得ます。


暦年贈与を複数人に行う等の早くから対策をすれば、資産が億を越えていても課税なしという結果になったケースもあります。

相続対策は、紛争予防もそうですが、節税の観点から考えても、早めに始めたほうがいいと思います。

生前贈与の注意点

相続対策で生前贈与を使用することは多いです。

たしかに、生前贈与をすれば

①相続財産を減少させられる

②代償分割の資金準備ができ、事業承継などに便利

③若い世代に財産移転できる

等のメリットがあります。

 

しかし、注意が必要な点があります。

①贈与契約書を残す

②財産を受け取る側が、自己の口座・印鑑できちんと管理する(実際の管理が贈与者ではいけない)

③履歴を通帳等に残す

以上が大切です。

やはり、後から税務調査が入った時に、証拠がなければ主張できませんので、何事もきちんと残すことです。

 

不動産の生前贈与と相続

相続対策を行う際に、争いの起きやすい不動産について、生前贈与して特定の者に渡してしまう方法があります。

最近では相続時精算課税制度の特例(別記事で解説)もありますので、贈与税を気にせずに贈与できるケースが増えてきました。

しかし、不動産の場合には贈与税の他に、不動産取得税と登録免許税があります。

・不動産取得税については4%(特例3%)

・登録免許税1000分の20

が原則で、相続の場合は

・不動産所得税は非課税

・登録免許税は1000分の4

となります(令和4年現在)。

価格の高い不動産だと、費用で大きな差が出ますので事前確認が必要です。

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