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交通事故の損害の種類

交通事故の損害には、積極損害、消極損害、慰謝料の3種類があります。

 

①積極損害について

積極損害とは、交通事故に遭わなければ被害者が支払う必要がなかった費用のことです。

人身事故では入院費や治療費、病院への交通費、物損事故では修理費や車両の買い替え費用などがこれにあたります。

 

②消極損害について

消極損害とは、事故に遭うことにより失われてしまった将来の利益のことです。

逸失利益とも言います。

人身事故では、仕事を休んだ際の休業損害と将来に亘って症状の残る後遺障害または死亡による逸失利益があり、物損事故では休業損害のみとなります。

 

③慰謝料について

ケガをして入院または通院した場合、後遺障害が発生した場合、被害者が死亡した場合に認められます。

精神的な損害を第三者が客観的に判断するのは困難なため、慰謝料には一定の基準が定められ、ほぼ定額化されています。

人によって症状は異なるため、ある程度の幅はありますが、現実には通院期間や後遺障害の等級によって慰謝料額は決まってきます。

誰に損害賠償を請求できるか

交通事故の賠償は、加害者である運転者はもちろんのこと、加害者以外にも請求できる場合があります。

自身の場合は、下記を参考にして誰に請求できるかを考えてみてください。

専門用語でややこしければ、飛ばしてもらってかまいません。多くは保険会社の担当者が窓口ですから、気にする必要はないと思います。

 

①運転者

自動車の運転者は民法709条の不法行為者として責任を負います。ただし、この民法709条は過失責任ですので運転者に過失が無い場合は責任を免れることがあります。

しかし、オーナードライバーは次の運行供用者にあたりますので自動車損害賠償保障法3条が適用されるため責任を負います。

 

②運行供用者

自動車損害賠償保障法3条にいう「自己のために運行の用に供する者」をいいます。

この運行供用者をわかりやすく言いますと、自動車を支配している者のことをいいます。

自動車を現実に運転していたかどうかに関係なく、社会的にみて自動車を支配しており、その自動車から利益をあげている者と考えればいいでしょう。

具体的には、タクシーが人をはねた場合にタクシーを所有しているタクシー会社が運行供用者にあたります。

 

③使用者

民法715条に規定されているのですが、会社の従業員が事故を起した場合に会社(使用者)が責任を負います。ただし、人身事故の場合は前述の自動車損害賠償保障法が適用されますので、この規定が適用されるのは会社の従業員が会社の車で物損事故を起した場合です。

 

④特殊責任者

前述のタクシーが人をはねた場合に、タクシー会社の社長が責任を負うような場合です。民法715条2項に規定があります。特殊な場合ですのでこのくらいにしておきます。

3つの損害賠償額の基準

通事故の賠償金算定には、3つの基準があります。

これが、交通事故の損害賠償請求を複雑にしている原因かもしれません。

被害者は3つの基準といっても、知らない場合はほとんどですし、金額の算出もできません。

保険会社に提示された金額が正しいものだと信じていたら、実はもっと高い金額の基準があると知った時にトラブルになっています。

 

①自賠責保険基準

自賠法に支払基準が明記されており、損害賠償金はこれに基づいて支払われます。

保証金額は最も少なく算出されます。最低基準だと考えておいてください。

 

②任意保険基準

損害保険会社各社の支払基準です。保険自由化以前は統一された基準がありましたが、現在では廃止されています。

ただし、現在でも統一基準を参考に賠償額を提示する保険会社がありますので、知っておいて損はありません。

市販の交通事故書籍にあたれば、記載されているものがあります。

 

③裁判所基準

弁護士会が過去の判例を参考に基準額を算出したものです。日弁連交通事故相談センターの作成する「民事交通訴訟 損害賠償算定基準」(通称 赤い本)や、「交通事故損害額算定基準」(青い本)がこれにあたります。

加えて、名古屋弁護士会が作成する「緑の本」というのもありますが、名古屋在住の方以外は無視してください。

赤い本と青い本でも基準が異なり、青い本のほうが金額が多くなっています。

概ね、関東で赤い本が広く使用されているのでこれを基準に考えてよいと思いますが、関西では青い本も使用されています。 

 

・損害賠償額は裁判所基準で算出する

損害賠償額は裁判所基準で算出するのが一番高額になります。

被害者は、損害賠償額が最も高額となる裁判所基準で算出するべきです。

ただし、裁判所基準で算出した額全てが認められるわけではありません。裁判所基準は判例を基に作成されていますので、 あくまで実際に裁判を起こした場合に認められる基準です。

相手との交渉の際には、ある程度の妥協が必要です。裁判すればここまで取れるけど、このくらいなら妥協しようと、お互い譲り合うことも大事な場面もあります。

示談交渉での落としどころ、または、交通事故紛争処理センターという斡旋機関を使用して解決を図る方法、裁判といった選択肢がありますが、別の記事でそれぞれの解決方法について説明します。

死亡事故のときの損害賠償額の算出方法

①休業補償

詳しくは 傷害事故の損害賠償 をご覧ください

②医療関係費

詳しくは 傷害事故の損害賠償 をご覧ください

③葬儀関係費

だいたい120万円から150万円くらいを基準に認められます。

これくらいの金額までは特に被害者側が具体的に証明しなくても認められますが、これ以上になってくると被害者負担になってきます。

④雑費等

入院中の雑費や交通費のことです。

入院中の雑費については1日1200円~1400円ぐらい請求できます。

交通費は実費を請求します

⑤逸失利益

逸失利益とは、被害者が事故にあわずに生存していたら67歳になるまでの間に取得したと推測される利益(収入)のことです。

そして、その計算方法ですが、

  1. まず被害者の年収から年間の生活費を控除します。
  2. 次に被害者の就労可能年数(67歳になるまでの年数)を出します。
  3. そして、1で出した額に2の就労可能年数をかけます。その際に中間利息分を差し引きますので、ライプニッツ係数(市販の書籍などにも掲載してあります)を掛けます。

⑥慰謝料

被害者側の受けた精神的ショックに対する補償です。

精神的な苦痛に対する損害賠償額といっても算出が難しいですので、だいたい定型化しています。

一般に死亡者が一家の支柱なら(父親など)2300万円~3000万円、一家の支柱に順ずるものなら(共働きの主婦など)2000万円~2500万円、その他の者は1700万円~2300万円ぐらいが基準になっています。

以上の①~⑥を合計すると損害賠償額が算出できます。個々の具体的なケースについては、専門家にご相談ください。

傷害事故の損害賠償額の算出方法

①医療関係費

入院費や治療費は当然請求できます。

だた、病室を個室にして特別料金が加算された場合などは通常の室料しか請求できません。

しかし 、被害者が重傷であるときや、一般部屋が満室でやむをえず個室になったときは請求できるでしょう。

付添看護費については、医師の証明書があれば当然に請求できます。

職業付添人の場合は実費請求できますが、家族などが付き添った場合は入院1日4000円~6000円、通院1日3000円~4000円程度が請求できます。

 

②休業補償

文字通り、事故によって働けなくなった場合に収入が無くなってしまうと被害者にはその分の損害が生じます。その損害を補償してもらうのです。

この休業補償は、自己の所得を証明することによって得られます。

サラリーマンは納税証明書、源泉徴収票などで証明は容易でしょう。

しかし、自営業者の方などが実際の収入より所得税申告額が少ないと証明が難しくなります。あらゆる証拠書類を使って証明してください。

専業主婦の方でも賃金センサスに基づいて請求できますので安心してください。

アルバイト、パートの方も継続的に行っていれば請求できます。ただし、無職者の方は現実的に損害がありませんので請求できません。

 

③雑費・交通費

入院雑費は1日1200円~1400円、通院雑費は1日200円程度を請求できます。

あとでもめないためにも領収書は取っておいてください。

交通費は実費で請求できます。

 

④後遺症による将来の逸失利益

不幸にして事故によって後遺症が残った場合、それまでと同じようには働けません。後遺症によって労働能力が低下してしまいますので、その損害を逸失利益といいます。

 

・逸失利益の計算方法

  1. 後遺症何級になるかを決める(医師に診断書を書いてもらいます)。
  2. 後遺症による労働能力喪失率を決め、年収と掛けて年間の減収分を出す。
  3. 2の年間の減収分と労働能力喪失年数(67歳になるまでの年数)を掛ける。
  4. ライプニッツ係数を掛けて中間利息分を差し引く。

⑤入院・治療(傷そのもの)に対する慰謝料

日弁連の基準表を使用して算出します。

 

⑥後遺症に対する慰謝料

後遺症に対する慰謝料です。もちろん後遺症が残った場合にだけ請求できます。この慰謝料額は日弁連交通事故相談センター基準で算出します。

以上①~⑥を合計すると傷害事故の損害賠償額が算出できます。個々の具体的なケースについては、専門家にご相談ください。

物損事故の損害賠償額

①修理費・②修理不可能の場合は物の価格

自動車が破損した場合には修理費を請求します。

修理を完了したが、車の評価額が下がった場合には、事故直前の中古車の価格と、事故後の修理完了したときの価格との差額を請求することになります。

自動車が破損したが修理不能の場合(修理費が自動車の時価より高いとき含む)は、中古品の価格を請求できます。
 

③代車料・休車料

車の修理期間中、車を使用できなくなったために車をレンタルした場合は、その代車使用料を請求できます。

料金はレンタカー料金を基準に決めます。

 

④営業補償

タクシーやトラックなどの営業車両の場合は、営業補償を請求できます。

その会社または業種の平均収入から1日あたりの損害を算出して請求します。

 

⑤評価損について

事故によって、中古車市場価格における売却額や下取り額が下がった分の損害を評価損といいます。

この評価損については、保険会社はなかなか認めません。

裁判でも判決にばらつきがありますが、認められたケースでは、事故前の価格の10%といったものがあります。

 

以上①~⑤を合計すると損害賠償額を算出できます。個々の具体的なケースについては、専門家にご相談ください。

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